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親族や従業員でない「第三者」の事業承継が拡大

  • inokuchi
  • 2025年12月17日
  • 読了時間: 3分

親族や従業員でない「第三者」の事業承継が拡大


近年、中小企業の事業承継において「親族」や「従業員」ではない第三者による承継が増えています。少子高齢化や後継者不足が深刻化する中で、外部の経営者や他社とのM&Aを通じて事業を引き継ぐケースが一般化しつつあるのです。

こうした流れを背景に、東京都事業承継・引継ぎ支援センターは信用組合など地域金融機関と連携し、「アシスト会議」を開催しました。これは、融資先企業の事業承継や経営改善をテーマに、複数の支援機関が一堂に会して具体的な支援策を検討する取り組みという記事が日本経済新聞に掲載されていました。

記事によれば、会議には東京都よろず支援拠点、東京信用保証協会、中小企業活性化協議会などが参加し、金融機関の取引先企業を対象に事業承継や経営改善の方向性を議論しました。つまり、**金融支援と経営支援を一体化させる「ネットワーク型支援」**が実際に動き始めているのです。


第三者承継が広がる理由

• 親族後継者の減少:少子化や世代間の価値観の違いにより、親族内承継が難しくなっている。

• 従業員承継の限界:従業員に経営を担う意欲や資金力が不足するケースが多い。

• 外部人材やM&Aの活用:外部経営者や他社との統合によって、事業の持続可能性を高められる。


第三者承継を成功させるためのコミュニケーション戦略

第三者承継は、親族承継や従業員承継に比べて「文化の違い」「信頼関係の構築」に時間がかかります。成功の鍵は、戦略的なコミュニケーションにあります。

<ポイント>

• ビジョンの共有

承継後の企業の方向性を明確にし、従業員や取引先に一貫したメッセージを伝える。

• ステークホルダーとの信頼構築

従業員、顧客、金融機関など主要関係者に対して、承継の意義とメリットを丁寧に説明する。

• 段階的な情報開示

承継のプロセスを一度に伝えるのではなく、フェーズごとに整理して発信することで安心感を醸成。

• ブランドの継続性と刷新のバランス

既存の企業文化を尊重しつつ、新しい経営者の強みを活かした刷新を「前向きな進化」として伝える。

• 外部支援機関の活用

信用組合や事業承継センターなど第三者の立場を活かし、客観的な説明や調整役を担ってもらう。


「第三者による事業承継」は、もはや例外ではなく新しいスタンダードになりつつあります。東京都の「アシスト会議」のように、金融機関と支援機関が連携して企業を伴走支援する仕組みは、今後さらに重要性を増すでしょう。

事業承継は単なる「世代交代」ではなく、企業の未来をどう描くかという経営戦略の一部です。第三者承継を成功させるためには、資金や制度だけでなく、コミュニケーション戦略を通じて信頼を築くことが不可欠です。


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