「助成金」と「補助金」ってどう違うの?
- inokuchi
- 5月2日
- 読了時間: 3分
― 中小企業が知っておくべき資金支援の基本 ―
経営者の方からよくいただくご相談のひとつに、「助成金と補助金って何が違うの?」という質問があります。どちらも国や自治体から支給される「返済不要のお金」ですが、制度の性格や活用の条件には明確な違いがあります。
ここでは、助成金と補助金の違いを比較しながら、それぞれの特徴を分かりやすくご説明します。
■ 助成金とは
助成金は、主に厚生労働省系の制度で、要件を満たせば“ほぼ確実に”受け取れる支援金です。たとえば「社員を新たに雇用した」「労働環境を改善した」など、法律や制度に沿った取り組みに対して支給されることが多いです。
代表的な例:
雇用調整助成金
キャリアアップ助成金
働き方改革推進支援助成金 など
ポイント:
募集期間に関係なく、年間を通じて申請可能なものが多い
審査というより「条件を満たしているか」の確認
就業規則や労働環境整備など、労務面での支援が中心
■ 補助金とは
補助金は、主に経済産業省や地方自治体が実施するもので、“選考(審査)を通過した事業”に対して支給されるものです。事業計画や実現性、成長性が評価されるため、必ずもらえるとは限らないという点が特徴です。
代表的な例:
ものづくり補助金
IT導入補助金
小規模事業者持続化補助金 など
ポイント:
募集期間が限定されており、年に数回の公募制
事業計画書を作成し、採択審査に通る必要がある
設備投資・販路開拓・DX化など、経営強化の支援が中心
■ 比較一覧表
項目 | 助成金 | 補助金 |
所管官庁 | 厚生労働省が中心 | 経済産業省・中小企業庁・自治体など |
対象経費 | 雇用・労務関連 | 設備投資・事業拡大・販路開拓など |
申請タイミング | 通年受付が多い | 公募期間あり、締切制 |
採択条件 | 要件を満たせば支給(原則非競争) | 審査制・採択制(競争あり) |
支給率 | 一定額または割合(1/2、2/3など) | 上限金額+補助率 (例:最大1,000万円、補助率2/3) |
返済義務 | なし | なし |
■ どちらを活用すべき?
助成金は“社内の整備”、補助金は“事業の成長”に使うというのが大まかなイメージです。
たとえば…
人を雇った → 助成金(キャリアアップ助成金など)
新しい機械を入れて生産性を上げたい → 補助金(ものづくり補助金など)
両者を併用できるケースもあるため、自社の状況に応じて戦略的に活用することが重要です。
助成金も補助金も、活用できれば企業にとって大きな資金的メリットとなります。
ただし、制度の種類が多く、要件や申請書類の準備が煩雑なことも少なくありません。
「自社で使える制度が分からない」
「何から手をつければよいか迷っている」
そんな時は、まずはお気軽にご相談ください。
私たちが、貴社に合った最適な制度選びと申請支援をサポートいたします。

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